「価値を探求、生み出し、届ける存在でありたい」を掲げ創設した株式会社TNKRのCI開発とガイドラインの作成を担当。


株式会社flapper3はモーショングラフィックを軸とした映像 ・空間演出を得意とし、エンタメ領域を中心に幅広い分野のコンテンツを提供するクリエイティブ・スタジオです。

Shedはポートフォリオの更新とコンテンツの刷新を目的としたコーポレートサイトのリニューアルを担当しました。

flapper3のクールでスタイリッシュなブランドイメージを表現しつつ、よりコンテンツを印象的に見せられるような設計へと落とし込みました。


Overview

取り組んだ内容

  • 編集プロダクションのコーポレートブランディング
  • 新しい定義を伝えるためのコーポレートサイト

Approach

イントロダクション

株式会社宿木屋は企業の言葉に関わる業務を支援する編集プロダクションです。代表の宿木雪樹氏は2017年からフリーのWebライターとして活躍し、2020年に宿木屋を設立。取材、執筆、編集を掛け合わせたオーダーメイドの解決策を提案しています。本質的な課題は何かという問いを常に考えながら、もっとも伝わる言葉を紡ぎ出します。

ライター集団から、編集プロダクションへ

私たちはパートナーとしてすでにいくつかのプロジェクトを共に行っていました。代表の宿木氏からは、これまでのライター集団のような見え方から、企業の情報発信を言葉で支える編集プロダクションとして自社を再定義したいと相談をうけました。新たなライターの雇用や事業拡大に向けた基盤を形成するため、全面的なリブランディングを行うことになりました。

宿木屋のアイデンティティを考える

私たちはまず宿木屋のアイデンティティは何かを掘り下げていきました。高いコンセプチュアルスキルとプロフェッショナリズムによる言語化が特徴である彼女たちを表現するベストな方法は何か。私たちは宿木氏のライティングネームでもあり、社名にも使われている「ヤドリギ」という言葉の意味を解釈し直すことで、いくつかの方向性へと落とし込み、提案を行いました。

そして“共生”というコンセプトが生まれました。宿木屋が企業と共に未来へと進んでいく姿を、ヤドリギという植物が樹木の枝や幹に寄生し、水分や栄養分を分け与えてもらいながら共に成長していく姿と重ねました。

CIの書体は木の幹や棒を組み合わせたような形状をしており、平ペンのカリグラフィーのような太さの変化を付けました。コーポレートカラーは、植物や大地などの自然からイメージされたカラーパレットで構成しています。そしてイラストや写真などのブランドビジュアルも、大地や自然の風景をモチーフにしました。これらは、ヤドリギという植物のイメージであるのと同時に、宿木屋という企業が、都心ではなく札幌を中心とした地方のネットワークによって形成されていることを表しています。そして女性が中心の会社であるため、全体のトーン&マナーにも優しさや繊細さが感じられるようにしました。

共生の象徴、“Yモジュール”

自然や女性らしさだけでなく、宿木屋が力強く論理的に問題解決に取り組む企業であることを表現するため、私たちはアイデンティティの中にロジックの要素を取り入れました。

それがヤドリギの枝葉と宿木のイニシャルのYを掛け合わせた独自の形状“Y(Yadorigi)モジュール”です。Yモジュールが複数集まって円を形成したものがシンボルマークであり、まさにヤドリギ本体を表現しています。

またYモジュールはシンボルマークだけでなく、パターンやタイポグラフィとしても機能します。宿木屋の専用書体“Yフォント”は、Yモジュールが複数集まってアルファベットを形成したものです。YフォントはYモジュールの密度によってウェイトの展開をすることが可能です。

新しい定義を伝えるためのコーポレートサイト

私たちは次にコーポレートサイトのリニューアルを行いました。編集プロダクションという新しい定義をこれからの顧客やパートナーに対してどのような構成や表現で見せていくべきかを検討しました。私たちはまずは企業理念と事業内容を整理するところから始めました。宿木屋自体が言葉のプロフェッショナルであるため、私たちはそれらをWebサイトのターゲットや目的に沿うように再整理したり、図式化を行うことで、より機能的にすることに務めました。表現としても、ブランディングのトーン&マナーを引き継ぎながら、リズム感のあるレイアウトや見出しのYフォントがランダムに変化するアニメーションなどを取り入れることで、Webサイトとしての驚きを感じられるものにしました。

おわりに

リニューアルの後、代表の宿木氏からはコーポレートサイトのお問合せを通じて新しいお客様との出会いがあったとのご連絡をいただきました。企業を言葉でサポートし、共に未来へ進んでいく宿木屋を、私たちはこれからもデザインで支援していきたいと思います。

私自身が気付いていなかった自社らしさを体現するリブランディングをしていただけたと感じています。そのプロセスでは真摯なコミュニケーションを取ってくださり、うまく言語化できない「こうしたい」を紐解いてくださったことが印象的でした。リブランディング後、新しいお客様との接点をこのコーポレートサイトから生み出せていることも含め、感謝しております。気持ちを新たに、新しいブランドを育んでいけるよう挑んでいきたいです。

宿木雪樹  株式会社宿木屋 代表取締役


ファッション、空間、データの領域の最前線で活躍する企業、アートアンドプログラム株式会社のロゴ、Webサイトの制作を担当。


アーティスト、研究者、プログラマ、デザイナーから構成された、デジタル技術を生かしたアートの制作や研究開発などを行う集団、株式会社 Qosmoのリブランディングを担当。10周年を迎えたQosmoが目指す、新たなクリエイティブを生み出すためのコンセプト「Cultivate The Chaos」の設計をはじめ、コーポレートサイトのリニューアルとオリジナルのブックレットのデザインを担当。ブックレットはCDサイズになっており、「Cultivate The Chaos」のコンセプトブックでもあり、「Cultivate The Chaos」をイメージして開発したQosmoのオリジナル書体「Cosmos」の書体見本帳でもあり、代表の徳井直生が選曲したプレイリストのSpotifyのQRコードが付いたサウンドトラックにもなっている。裏面は「Cultivate The Chaos」をイメージしたグラフィックが全面にプリントされている。


Computational Creativity and Beyondをモットーに、AIと人の共生による創造性の拡張の可能性を模索するアーティスト・研究者の徳井直生氏のWebサイトのリニューアルを担当。
これまでの氏の作品やアプローチ、さまざまな知に接続する豊かなテキスト群を、シンプルかつミニマルな情報構造とレイアウトで落とし込んだ。