HARDBITE(ハードバイト)株式会社のPEラインのパッケージデザインを担当いたしました。
HARDBITE株式会社は釣り糸の製造・販売や釣りに関するコンサルティング事業を行なっています。また、樹脂・繊維の研究に特化したRDG(アールディージー)株式会社と共同し、科学的なアプローチによる画期的な製品開発に取り組んでいます。PEラインにはRDG株式会社が新規開発した結晶化超分子間力の効果が取り入れられています。結晶化超分子間力とはポリエチレン繊維とコーティング材の強固な接着を可能にする、革新的PE改質材で、高強度、高耐久の釣り糸を実現可能にします。
技術的なこだわりの詰まった製品ということから、従来の釣具パッケージのイメージから一線を画す、スタイリッシュなデザインを目指しました。タイポグラフィをメインに使用したレイアウトとキャッチーなカラーで、技術の高さや洗練さを表現しました。
Overview
取り組んだ内容
- 一般的な化学メーカーらしさと革新的な企業としての表現の融合
- 専門性の高い内容の正確なアウトプット
Approach
イントロダクション
RDG(アールディージー)株式会社は、結晶化超分子間力を用いた新たな技術開発に取り組んでいるテクノロジー企業です。代表の石元正一氏は東京理科大学大学院理学研究科化学専攻で結晶化超分子間力を研究し、2016年にRDG(旧社名・ハードバイト株式会社)を設立。ポリエチレンの接着性向上を中心に研究を行なっています。
堅実さと革新さを融合したデザイン
RDG社は福岡大学八尾滋研究室との共同研究により、ポリエチレンを安定して接着する技術を開発しました。その革新的な技術を活用した初めての商品として、強い強度を持つ釣り糸を発売していくにあたり、私たちは企業としての信頼性向上などを主な目的として、RDG社のブランディングを行っていきました。
コーポレートアイデンティティは、革新的な技術にだけフォーカスを当てたような奇抜なデザインではなく、ほかの化学メーカーと並んでも違和感のない、堅実なものにしたいという要望を受けました。そこで私たちはリサーチを行い、一般的な化学メーカーらしさをマッピングしていきながら、RDGとして相応しいポジションと表現方法を模索していきました。
そしてRDGのブランドコンセプト、「Potentiality Edge(可能性の先端)」は誕生しました。シンプルなサンセリフ書体のロゴの中に刻まれている斜めのカットと、長方形の上辺に生じる4°の傾きは、「可能性の光」が差し込んでいることを表現しているのと同時に、革新的な技術が社会に立体的な展開=新たな可能性を生み出していくことを表現しています。Webサイトの演出やデザイン、資料のフォーマットなどでこのPotentiality Edgeを展開させていくことで、ブランドとしての一貫性を持たせました。コーポレートカラーの鮮やかな赤は、堅実な化学メーカーらしさの中にある革新的な企業としての象徴を意味しています。
私たちはこのプロジェクトで、化学の専門的な内容を正確に理解し、技術説明としてもデザインとしても品質の高いものを目指せるように務めました。
工業用ゴム製品を取り扱う会社KYUの、株式化にともなうリブランディングを担当。ロゴの開発をはじめ、ビジュアル写真のディレクションや名刺・封筒などブランドツールのデザイン、Webサイトのデザインまでを担当。
デンマーク、スウェーデンなどのデザイナーズヴィンテージ家具を扱うブランド「MOTO FURNITURE」のリブランディングを担当。コンセプト設計やロゴ開発をはじめ、名刺やタグ、包装紙などのブランドツールの制作を担当。
6つのセンサーを搭載し、着るだけで環境データを計測してビジュアル・音化するウェアラブルデバイス「synapseWear(シナプスウェア)」のデザインを担当。ロゴ開発からパッケージを含めた各種ツールの制作、アプリケーションや公式Webサイトのデザインなどを担当。同時に、アートアンドプログラム株式会社が展開するブランド「aprg」のブランディングも担当。関連プロジェクトはこちら。
ヴィンテージ機材のフィーリングを研究し現代に再現するエフェクターのブランド「Organic Sounds」のブランディングを担当。ECサイトの設計・デザイン・コーディング、名刺やステッカーなどのブランドツールをはじめ、イラストを使用した筐体のデザインを担当。