
Overview
取り組んだ内容
- デザイン戦略の策定
- コーポレートアイデンティティの定義
- ビジュアルアイデンティティの開発
- 新建屋の内装・外装デザインの検討
- パイロット製品のロゴ・パッケージ開発
Approach
イントロダクション
株式会社エネコートテクノロジーズ(以下エネコート)は、京都大学化学研究所若宮研究室の研究成果を実用化するために2018年1月に設立された京都大学発スタートアップです。次世代太陽電池の大本命として注目される「ペロブスカイト太陽電池」の材料開発、モジュールの製品化に取り組んでいます。この技術は「どこでも電源®」と名付けられ、晴天時のみならず曇り空や室内光でも高い発電能力を発揮します。フィルム形状の特性から軽量かつ柔軟性に優れた次世代再生エネルギー技術として、その実用化と社会実装を目指した取り組みが進められています。

プロジェクトの背景
2024年、エネコートはペロブスカイト太陽電池の製品化や量産化のための新社屋建設など、事業拡大のフェーズを迎える中で、市場や投資家から企業認知度の向上やブランド価値の可視化が求められていました。特に優れた技術力を持つ企業としての評価を受ける一方で、デザイン面での改善余地やブランド表現の洗練度について指摘を受けており、企業価値向上に向けた魅力あるブランド構築の必要性が高まっていました。こうした背景を受け、2024年6月にエネコート社内でタスクフォース(以下TF)が発足し、有志のメンバー17名が集まりました。
TFミッション
- エネコートの企業価値向上に向けた魅力ある新ブランド戦略のためのアイデア立案
新ブランド戦略の意義
- 外部:グリーンイノベーション企業イメージを国内外のステークホルダー(投資家、取引先等)へ発信
- 内部:従業員へ快適な職場を提供して社内活力UP、優秀な人材採用の促進
私たちはブランディングのパートナーとして、TFメンバーとともに上記ミッションの達成を目指して本プロジェクトを進めていきました。
デザイン戦略の策定
私たちはTFメンバーに事前ヒアリングを行い、本プロジェクトの達成すべき目標や期間、そしてスコープや必要なアウトプットなどの認識合わせを行いました。そして、先方が指定した当初の進行プロセスと私たちの普段のアプローチを合体させ、エネコートのブランディングのためのデザイン戦略を立案しました。

プロセス0と呼ばれる工程では、エネコートのステークホルダーと対話を行い、組織のコアの解明を行いました。次のプロセス1の工程では、そこから得られた情報を元に、ブランドコンセプトやタグラインなど、ブランドの言語化を行いました。その後ロゴタイプやシンボルマークのデザインなど、ブランドの視覚化を行いました。最後のプロセス2の工程では、プロセス1で定義されたコーポレートアイデンティティをキービジュアルや資料テンプレート、製品パッケージなど、各種のデザインへと展開していきました。
実際のプロセスに入る前に、私たちはTFメンバーに向けてオンラインでブランディングに関するレクチャーを実施しました。ブランディングとは何か、どのようなことを行っていくのか、会社にとってどのような意味があるのか、その後どうなるのかなど、具体的な事例を織り交ぜながら話をすることで、チーム全体のブランディングに対する解像度を高め、メンバー全員が目標に向かって進んでいけるようにしました。
ステークホルダーとのセッション
プロセス0では取締役、ゼネラルマネージャー(以下GM)、TFメンバーの3つのグループと、対話形式のディスカッションを行うセッションを実施しました。

取締役セッションでは、創立者として、会社設立のきっかけやその時の想いなどのヒストリーを振り返りました。また経営者として、組織のミッションやこれからのビジョン、事業の社会的役割など深堀りすることで、エネコートテクノロジーズという組織のDNAと未来のビジョンを紐解いていきました。
次のGMセッションでは、チームを束ねる管理者として、各部のミッションや業務について対話を行いました。ペロブスカイト太陽電池の社会実装に向けた課題や競合優位性、差別化のポイント、ターゲットとなる顧客やステークホルダーを深堀りすることで、エネコートの事業とチームの特徴を紐解いていきました。
最後のTFセッションでは、現場で働くメンバー、そして今後ブランドを守り、運用していくメンバーとして、各自の業務内容や働き方、ブランドに対する期待について対話を行いました。組織のらしさや強み、価値観などを深堀りすることで、エネコートの企業文化を紐解いていきました。
ブランドの視覚化
プロセス1の最後として、私たちはビジュアルアイデンティティの検討を行いました。エネコートのコアである「未踏への挑戦」をデザインコンセプトとして、その未踏の領域に挑戦する未来のチームの姿を3つの方向性へと落とし込み、具体的なデザインイメージを提案しました。
ブランドコンセプト「賢明な探求者」
3つの方向性の中から、エネコートのブランドコンセプトは「賢明な探求者(Smart Seekers)」が選ばれました。自由な発想と独立性を持ち、好奇心と冒険心を原動力に常に革新的なアイデアを追求し、変化を恐れずに自分たちの道を切り開いていく組織。そして豊富な知識と深い洞察力を持ち、戦略的に物事を進める一方で、素直で純粋な心を持ち誠実さと共感力を備え、専門性と信頼性を兼ね備えた人格を持つ組織。それこそがエネコートというチームのあるべき姿です。 「賢明な探求者」のトーンオブボイスは、「スマートな(Smart)」「個性的な(Unique)」「知的な(Intelligent)」という3つのキーワードで表現されます。京都大学との連携や豊富な知識、高い技術力などの知的さとスマートさを感じさせつつも、他にはない個性的な印象を感じさせるデザインの方向性を目指しました。
コーポレートロゴは、「賢明な探求者」を表現したシンボルマーク“スクエアスコープ(Square Scope)”とオリジナル書体“エネサンズ(Ene Sans)”で構成されています。 私たちはこのブランドの世界観をサインやスライドフォーマット、そしてパイロット製品のロゴやパッケージなどに展開しました。また、一貫したブランドイメージを確立するためのガイドラインを作成し、社内外での統一的なブランド体験を可能にするツールを提供しました。

おわりに
今回のプロジェクトを通じて、TFメンバーと伴走しながらステークホルダーを巻き込み、新たなエネコートの姿を描き出すことができました。私たちのブランディングのフレームワークを活かすことで効率的に進めることができましたが、同時に、テックベンチャーの事業や経営の状況変化のスピードの速さも痛感しました。
セッションでメンバーそれぞれの想いに触れたり、実際の研究開発の現場を間近で見させていただく中で、メンバー全員が「絶対に成し遂げなければならない」という強い使命感を持ちながらも、同時にそれを楽しんでいる姿がとても印象的でした。ペロブスカイト太陽電池の実現によるエネルギー問題の解決という大きな目標に向かって、チーム一丸となって着実に一歩ずつ前へと進んでいくエネコートという組織に、「ものづくり日本」の未来を感じました。
「未踏の挑戦」が現実のものとなる日まで、私たちは引き続きサポートしていきたいと思います。

VECTIV(ベクティブ)は、「速く、遠くに」をコンセプトにTHE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)が開発した多層構造のソールユニットです。VECTIV 3.0は、あらゆるランナーのパフォーマンスを最大限引き出す、最新のトレイルランニングシューズコレクションです。
私たちはVECTIVの公式サイトの構築と、SNSバナーの制作を担当しました。アートディレクターの上山悠二氏のビジュアルをベースに、等高線グラフやピクセルの演出、GitHubを連想させるUIデザインを取り入れることで、革新的なテクノロジーを採用したプロダクトであることを表現しました。
また、ユーザーが定期的に訪れたくなるようなメディアサイトを目指し、コントリビューション・カレンダーをイメージした記事更新カレンダーや、ノード型のグローバルナビゲーション、UIのカラーチェンジなど、遊び心のある機能を追加しました。



VECTIV ROAD 発売に伴うアップデート
2026年2月、VECTIVとして初となるロードランニングシューズ「VECTIV ROAD」のリリースにあわせ、サイトのアップデートを担当しました。商品カラーであるホワイトを起点に全体のトーンを軽快な印象へと更新するとともに、コンテンツの拡充とサイトの軽量化も並行して実施しました。
また、VECTIVのテクノロジーをライフスタイルシーンへと拡張した「VECTIV LIFESTYLE COLLECTION」のLPデザインも担当しました。































































HARDBITE(ハードバイト)株式会社のPEラインのパッケージデザインを担当しました。
HARDBITE株式会社は釣り糸の製造・販売や釣りに関するコンサルティング事業を行なっています。また、樹脂・繊維の研究に特化したRDG(アールディージー)株式会社と共同し、科学的なアプローチによる画期的な製品開発に取り組んでいます。PEラインにはRDG株式会社が新規開発した結晶化超分子間力の効果が取り入れられています。結晶化超分子間力とはポリエチレン繊維とコーティング材の強固な接着を可能にする、革新的PE改質材で、高強度、高耐久の釣り糸を実現可能にします。
技術的なこだわりの詰まった製品ということから、従来の釣具パッケージのイメージから一線を画す、スタイリッシュなデザインを目指しました。タイポグラフィをメインに使用したレイアウトとキャッチーなカラーで、技術の高さや洗練さを表現しました。



Overview
取り組んだ内容
- 一般的な化学メーカーらしさと革新的な企業としての表現の融合
- 専門性の高い内容の正確なアウトプット
Approach
イントロダクション
RDG(アールディージー)株式会社は、結晶化超分子間力を用いた新たな技術開発に取り組んでいるテクノロジー企業です。代表の石元正一氏は東京理科大学大学院理学研究科化学専攻で結晶化超分子間力を研究し、2016年にRDG(旧社名・ハードバイト株式会社)を設立。ポリエチレンの接着性向上を中心に研究を行なっています。
堅実さと革新さを融合したデザイン
RDG社は福岡大学八尾滋研究室との共同研究により、ポリエチレンを安定して接着する技術を開発しました。その革新的な技術を活用した初めての商品として、強い強度を持つ釣り糸を発売していくにあたり、私たちは企業としての信頼性向上などを主な目的として、RDG社のブランディングを行っていきました。
コーポレートアイデンティティは、革新的な技術にだけフォーカスを当てたような奇抜なデザインではなく、ほかの化学メーカーと並んでも違和感のない、堅実なものにしたいという要望を受けました。そこで私たちはリサーチを行い、一般的な化学メーカーらしさをマッピングしていきながら、RDGとして相応しいポジションと表現方法を模索していきました。
そしてRDGのブランドコンセプト、「Potentiality Edge(可能性の先端)」は誕生しました。シンプルなサンセリフ書体のロゴの中に刻まれている斜めのカットと、長方形の上辺に生じる4°の傾きは、「可能性の光」が差し込んでいることを表現しているのと同時に、革新的な技術が社会に立体的な展開=新たな可能性を生み出していくことを表現しています。Webサイトの演出やデザイン、資料のフォーマットなどでこのPotentiality Edgeを展開させていくことで、ブランドとしての一貫性を持たせました。コーポレートカラーの鮮やかな赤は、堅実な化学メーカーらしさの中にある革新的な企業としての象徴を意味しています。
私たちはこのプロジェクトで、化学の専門的な内容を正確に理解し、技術説明としてもデザインとしても品質の高いものを目指せるように務めました。













工業用ゴム製品を取り扱う会社KYUの、株式化にともなうリブランディングを担当。ロゴの開発をはじめ、ビジュアル写真のディレクションや名刺・封筒などブランドツールのデザイン、Webサイトのデザインまでを担当。















デンマーク、スウェーデンなどのデザイナーズヴィンテージ家具を扱うブランド「MOTO FURNITURE」のリブランディングを担当。コンセプト設計やロゴ開発をはじめ、名刺やタグ、包装紙などのブランドツールの制作を担当。



















6つのセンサーを搭載し、着るだけで環境データを計測してビジュアル・音化するウェアラブルデバイス「synapseWear(シナプスウェア)」のデザインを担当。ロゴ開発からパッケージを含めた各種ツールの制作、アプリケーションや公式Webサイトのデザインなどを担当。同時に、アートアンドプログラム株式会社が展開するブランド「aprg」のブランディングも担当。関連プロジェクトはこちら。






























