Overview

取り組んだ内容

  • コーポレートリブランディング
  • ブランドアーキテクチャーの検討
  • 名刺デザインのリニューアル
  • コーポレートサイトデザインのリニューアル

Approach

イントロダクション

ハローテクノロジーズ株式会社(以下ハローテクノロジーズ)は、暮らしと幸せをサポートするテクノロジーを提供する会社です。 代表プロダクトであるハローライト(Hello light)は史上最もシンプルな見守りデバイスとしてグッドデザイン賞を受賞。家庭や施設における暮らしの安全を支える存在として高く評価されています。

ハローライトからハローテクノロジーへ

ハローテクノロジーズは、主力製品のハローライトだけでなく、さまざまなIoTプロダクトの展開を視野に入れていました。その経営戦略に基づき、これまでの社名である「ハローライト株式会社」から「ハローテクノロジーズ株式会社」へ社名を変更することになりました。私たちはハローテクノロジーズ株式会社の親会社であるボクシーズ株式会社のコーポレートブランドリニューアルに引き続き、今回のリブランディングの支援を行いました。

ボクシーズ株式会社の事例はこちらからご覧ください。

“Hello”に企業の個性を持たせる

コーポレートアイデンティティを検討するにあたり、私たちはまず“Hello”という言葉に向き合うことから始めました。“Hello”は普遍的な挨拶の言葉であるため、そこに企業としての独自性や意味をどう重ねていくかが、今回のCI制作における大きなテーマとなりました。

連結する“L”

ハローテクノロジーズが目指すのは、「いつもシンプルでわかりやすい技術やサービスを提供し、安心な生活を支える会社」というブランドイメージを育てていくことです。私たちは「シンプルでわかりやすい技術やサービス」こそが“Hello”という言葉に象徴されており、それがもたらす「安心な生活」は“人と人がつながる社会“であると考えました。
私たちはそれをスクリプト体の連結する“L”で表現しました。そしてその他の文字を、大文字と小文字の中間であるユニケース書体を組み合わせることで、やさしさと個性を表現しました。
サービスのブランド展開として、“Hello”というマスターブランドを中心にした「ブランドハウス」のアーキテクチャモデルを採用し、デザインを行いました。

おわりに

ハローライトはメディアで取り上げられる機会も増え、製品とともにハローテクノロジーズという企業の認知も広がっています。日々の安心な生活の中で、“Hello”の輪が自然に広がっていくことを願っています。暮らしと幸せをテクノロジーでサポートするハローテクノロジーズを、私たちは今後もデザインの力で支援してまいります。

Overview

取り組んだ内容

  • デザイン戦略の策定
  • 企業理念の見直しと体系の整理
  • コーポレートリブランディング
  • サービスブランドの構築
  • 採用サイトリニューアル
  • 理念浸透の支援

Approach

イントロダクション

Fabeee(ファビー)株式会社は伴走型DX支援サービスを通じてクライアントのビジネス成長を加速させるDXコンサルティングファームです。これまで非IT産業を中心に累計600社以上の企業の新規事業における戦略立案から、実行支援として開発現場やマーケティングのリード、社内のDX文化構築に至るまで、一気通貫の支援を通じて3,000億円以上の価値創出に貢献してきました。

特に中堅企業が抱えるDX推進の根本課題に焦点をあて、ビジネスとITの両面の専門家として高いファシリテーション力や提案力と早い実行・検証で、成果が見えにくい「DX推進を形にすること」を得意としています。

「らしさ」を具体化するためのリブランディング

2023年5月に14期を迎えたFabeeeは、これまでの収益基盤であったSESや自社プロダクトの開発から、伴走型DX支援のサービスへと大きく事業転換を測ろうとしていました。しかし社内外で情報発信が追いついておらず、コーポレートサイトや会社紹介資料などでは新旧の内容が混在しているような状況でした。採用でも、転職エージェントや求職者に対して会社の魅力や今後の展望が正確に伝えられておらず、求める人材が集まらないという課題がありました。そしてCEOの佐々木氏からも、会社のイメージを今の自分たちらしいものにアップデートしたい、もっとエモーショナルな部分を出していきたい、という依頼を受けました。

私たちはそれらを解決するため、Fabeeeらしさとは何かをもう一度問い直し、それらを具体化するリブランディングを行うことを提案しました。そして約1年間、私たちはデザインコンサルティングとして伴走しながら、さまざまなデザイン制作を行っていきました。

デザイン戦略の策定

私たちはまずリブランディングの目的を整理しました。インナーブランディングでは経営陣や社員に対して、アウターブランディングでは生活者、顧客、投資家、求職者や転職エージェントに対して、それぞれのステークホルダーと最適なコミュニケーションを設計することを目指し、プロジェクトの評価指標を定めました。

リブランディングは以下のアプローチで行いました。まず組織のコアを解明し、それらを企業理念へと落とし込み、その後にブランドアイデンティティやブランドパーソナリティなどの言語化を行い、それらをもとにしてトーン&マナーやビジュアル・アイデンティティなどの視覚化を行う、という順序で進めていきました。

私たちは最終的に以下のロードマップを描きました。毎週定例を行い、優先度やタイミングを話し合いながら、1つずつプロジェクトを進めていきました。

Vision・理念体系の整理

リブランディングの最初のピースは企業理念の見直しでした。Fabeeeの企業理念は「オンラインとオフラインの境界線をなくす」というVisionと、「Take The First Action」「Share Everything」「Never Stop Updating」という3つのValueで構成されていました。この理念は、エンジニアを中心とした自社プロダクト開発やSESが主力事業であった頃に策定されたものでしたが、現在でも会社の目指すべき未来の姿としての役割は果たしていました。しかし、内容の抽象度が高く、社員の中でも解釈や抱いているイメージに差があったり、表現としてこれが適切であるのかといった疑問の声も聞かれていました。また、理念以外にも顧客や採用者に向けた異なる切り口のメッセージが複数存在しており、会社が本当に何を大切にしているのかわからないような状態でした。

そこで私たちは企業理念の見直しと体系整理のプログラムを設計し、役員と部長陣とともに検討を行っていきました。

企業理念の見直しのプログラム

プログラムはボードメンバーセッションからスタートしました。CEOの佐々木氏とCTOの杉森氏の両氏と、会社設立のストーリーからこれまでの企業理念の変遷、現在の企業理念に対する課題感、今後の事業展開など、さまざまな対話を行いました。私たちはそれらをFabeeeのナラティブとしてひとつの図に落とし込んでいきました。その結果、Fabeeeという組織のコア(組織を成り立たせている核)として「楽しさ・ワクワク」というキーワードが浮かび上がってきました。

次のコアメンバーセッションでは、社員代表として部長陣と対話を行いました。セッション冒頭に、ボードメンバーセッションで明らかになった「楽しさ・ワクワク」という組織のコアを伝えたところ、部長陣からは「共感できない」という声が上がりました。Fabeeeの存在理由や、自分たちがFabeeeで働いている目的はほかにあるはずだ、という反応でした。私たちはコアについての議論を保留にして、Fabeeeの「らしさ」と「強み」の深掘りを進めていきました。自身の入社の動機やこれまでの仕事の成功体験、顧客から評価されたことなど、具体的なエピソードを全員と共有しながら、会社としての強みや価値観をまとめていきました。

最後の合同セッションでは、役員陣と部長陣が一堂に会し、改めて「Fabeeeという会社は何のために存在するのか」という問いについて考えました。ボーダレスな社会の実現なのか、産業のアップデートなのか、デジタル格差をなくしていくのか──。案の定、議論は膠着状態に陥りました。しかし何度も対話を重ねていく中で、「自分たちは社会や産業を変えていくことを目的とするよりも、自分たちや顧客が世に放ったものが、受け手である消費者やユーザーなどの人々の心拍数を1つでも上げるようなことをしたいし、働きがいがある」というひとつの想いが見えてきました。心拍数が上がるような体験をつくる。それこそが自分たちの存在理由ではないだろうか──。部長陣が最初に違和感を覚えた「楽しさ・ワクワク」こそが、自分たちの本質だったのです。

新しいMissionとValue

そして「世界の心拍数を1上げる」という新しいMissionが生まれました。Fabeeeは「便利な社会の実現」や「イノベーションを起こす」といった、遠く壮大な目標をVisionとして掲げるのではなく、まずは目の前の人と向き合い、確実に1つずつ積み上げていくというMissionを掲げることに決めました。

さらにMissionを実現するために大切にしたい価値観として、「1 Passion、1 Surprise、1 Step」という新しいValueを定めました。これは人間が創造性を発揮するための「知覚」「思考」「実行」という3つのプロセスにそれぞれ連動しています。この3つの“1”をかけ合わせることで、私たち自身や、目の前の人たちの心拍数を1上げることができる、という考えが反映されています。

私たちはこの新しいMissionとValueの内容を齟齬なく伝えていくために、これまでのFabeeeの組織や事業の変遷、企業理念を刷新する理由、そして新しい理念に込めた想いなどを、印象的なビジュアルとともに1つの冊子にまとめました。そして社外へと発信を行うために、特設サイトを制作しました。

ブランドの言語化

企業理念の後に、私たちはブランドの言語化に取り組みました。まず、コーポレートアイデンティティとして、社名の由来や象徴されるものなどを改めて整理しました。

次にブランドパーソナリティを導き出すためのワークを実施しました。ブランドアーキタイプはブランドが持つ本質的な要素を12の人格に例えて理解するためのフレームワークで、自分たちのイメージに近い人格を回答してもらいました。イメージスケールは対象に対して漠然と抱くイメージを具体的に落とし込むためのツールで、「楽しげな(Fun)/真面目な(Serious)」など、対となる形容詞の間で自分たちがどの位置にあるのかを回答してもらいました。

その結果、Fabeeeというブランドが持つ人格は「マジシャン(Magician)」という要素が強く、続いて「探求者(Explorer)」「反抗者(Outlow)」などの要素を持っていることが分かりました。ブランドイメージとしては「カジュアルな(Casual)」「シンプルな(Simple)」「楽しげな(Fun)」「人間的な(Humanistic)」などのキーワードが導き出されました。

ブランドの視覚化

私たちはブランドの言語化と新しい企業理念をヒントに、ビジュアルアイデンティティの検討を行いました。コーポレートロゴは、これまでの印象を引き継ぎつつ、新しいFabeeeらしさを加えるように調整したリファインと、これまでとは異なるアイデアで新たな印象へと生まれ変わらせるリニューアルの大きく2つの方向性で提案を行い、さまざまな可能性を検証しました。

新しいコーポレートアイデンティティ「魔法のブロック」

検討の結果、Fabeeeのコーポレートアイデンティティは「魔法のブロック」に決まりました。これまでの「ものづくり」のアイデンティティと、マジシャンのように想像を超えるWOWを生み出す力、顧客とともに着実に1を積み上げていく姿勢、そしてFabeeeのコアである「楽しさ・ワクワク」の生まれる瞬間といったイメージを、「ブロック遊び」という新しいメタファーで表現しました。

これまでのアベンジャーズを彷彿とさせる堅牢な印象のロゴから、DXパートナーとしての親しみやすさや賢明さを感じさせるものへと進化させました。

私たちは「魔法のブロック」をオリジナルのフォントに拡張し、それらをキービジュアルとして活用しました。また、全体のブランドのトーン&マナーに合わせて、名刺、スライドフォーマット、Zoom背景、ネックストラップなどのコミュニケーションツール、コーポレートサイト、採用サイトなどを一気通貫で制作していきました。同時に、メンバーのポートレートやビジュアル、社内風景の撮影を実施し、ビジュアルの刷新を図りました。

サービスブランドの構築

コーポレートと同時に私たちはFabeeeの主力事業であるDX推進事業の「バンソウDX」のブランディングも行いました。バンソウDXのコンセプトは「変革」。DXにおいて真に重要なのはD(デジタル)ではなくX(トランスフォーメーション)であり、クライアントが自らの意志で変わることを支援する、というのがバンソウDXの目指す姿でした。

最初に私たちはコーポレートと一貫性をもたせるかたちでサービスブランドのロゴを提案しました。しかしその方向性は彼らのイメージとは異なっていました。私たちは改めて事業担当者にヒアリングを行い、コーポレートと同じようにバンソウDXの「らしさ」を紐解きました。そして事業の本質である変革や、それに対する情熱と本気度、現状への危機感が伝わるようなものを改めて提案し、新たなX形状のロゴが決定しました。

次に私たちはサービスブランドのコンセプトを伝えるためのコピーを開発しました。DX推進という領域での差別化を図るため、課題意識を持っているクライアントに対して、「変わろう」と訴えかけるようなコピーにするために、最終的に変革を山登りに例え、変革の厳しさを語りつつも鼓舞するような「本気の『変わる』を『変革』へ」という文章に落とし込みました。

そしてそれらをWebサイトに落とし込んでいきました。さらに、バンソウDXの支援実績を具体的に伝えるため、事例記事の制作も行いました。専門のライターによるクライアントへのインタビューを実施し、変革の過程で得られた気づきや成果を丁寧に言語化していきました。

採用サイトリニューアル

リブランディングの最後のピースは採用サイトでした。コーポレートサイトは顧客向けにビジネスの信頼性を重視した設計でしたが、採用サイトではより人間味のある、Fabeeeらしさを伝えることを目指しました。社員の日常を切り取った写真を多く使用し、多くの社員に協力してもらいながら、ディレクションを最小限に留めて、リラックスした表情や職場の楽しげな雰囲気を撮影しました。デザイン面でも、求職者が「自分もここで働きたい」と感じられるように、コーポレートサイトよりも明るく、親しみやすいトーンでまとめました。基調カラーにはオレンジを取り入れ、温かみと活気を強調しています。

理念浸透の支援

新しいブランドデザインをリリースしてから半年後の2024年5月、Fabeeeで2024年上期のキックオフミーティングが開かれました。

そこでは役員陣と部長陣から、今後の事業方針とともに、改めて新しい企業理念とブランドが全員に共有されました。

私たちShedもゲストとして参加し、メンバーと一緒にワークショップを行いました。そこでは、CEOの佐々木氏を中心に「心拍数」というワードがすでに浸透をはじめ、メンバーは新しいミッションと事業の目標に向かって進み始めている姿がありました。

キックオフミーティングの後に、私たちはコンサルティングの支援の最後として、理念浸透の「理解、共感、行動、習慣」という各ステップに合わせたアンケート項目の設計や、具体的なワークショップのアイデアなどの長期的な理念浸透施策を提案し、1年にわたる伴走を終えました。

おわりに

今回のプロジェクトでは事前に評価指標を設定していたことで、ブランディングの課題として上げられる効果の側面でも、単なる雰囲気にとどまらず、具体的な成果を残すことができたと感じています。実際に社内のキックオフミーティングの後に行われた全社アンケートでは、メンバーの理念への理解度が5点中4.57点、共感度が5点中4.34点と、非常に高いスコアが得られました。

また企業のブランディングとして、経営者の直感やエネルギーの源泉を掘り下げていくことの重要性や、企業理念を軸にしたブランド設計の合理性を改めて感じました。そして担当者からは、セッションや写真撮影など、メンバーを巻き込みながら進めていったことで、社内のコミュニケーションの活性化にも繋がったとの声もいただきました。現代のデザインプロセスにおける共創の重要性も改めて感じました。

今回のプロジェクトでFabeeeとともに歩んでいく中で、私たちも確かに心拍数が1上がる楽しさとワクワクを感じることができました。今後も彼らの事業とミッションの達成をサポートしていきたいと思います。

Overview

取り組んだ内容

  • 企業理念策定
  • コーポレートサイトリニューアル
  • 撮影ディレクション
  • オフィス内装デザインのディレクション

Approach

イントロダクション

フライングフィッシュ株式会社は、食品輸送を中心にした国際複合一貫輸送サービスを提供している会社です。海上輸送をはじめ、飛行機、鉄道、トラックまでさまざま輸送手段を用いて、コンテナ配送や通関といった国際物流の取り次ぎ業務を行っています。高度化、多様化、複合化する国際物流において、これまでに培ってきたノウハウとグループ会社のネットワークを最大限駆使し、商社やメーカーなど、さまざまなクライアントに対して最適かつ高品質な物流サービスを提供しています。

さらなる成長と飛躍を目指すリブランディング

会社設立から10年目を迎える2022年春、フライングフィッシュは基幹システムの刷新を皮切りとする全社規模のDX推進に着手していました。この大きな挑戦の中で、経営陣は会社としての新しい姿をかたちにすることの必要性を感じていました。さらなる成長と飛躍を目指すためには、社員全員が一体となって同じ目標に向かっていけるような自分たちのブランドを形成する必要があったのです。私たちはDX推進を支援していた株式会社Fabeeeから声をかけていただき、デザイン支援として企業理念の策定とコーポレートサイトのリニューアル、オフィス内装デザインのディレクションを行いました。

1.5ヶ月の短期間で実施した企業理念策定プログラム

フライングフィッシュにはこれまで企業理念がなく、前身のフライングフィッシュサービス株式会社から受け継がれてきた価値観や、親会社である内外トランスライン株式会社の企業理念に準拠するようなかたちで業務が行われていました。これまで何度か自分たちの企業理念を定めようと試みてきましたが、実現には至っていない状況でした。

DXを推し進めていく中で、社内には従来の価値観にとらわれずに新しいものを積極的に受け入れていく文化が醸成されていく一方で、自分たちは何を守り、何を新しくするべきなのか、これからどこを目指していくのか、という問いが生まれていました。私たちは社員全員で共有する“想い”としてかたちに残すことがその問いの答えになると考え、企業理念策定のプログラムを実施しました。

私たちのプログラムは、ステップ1として経営者の主観的願望から「コア」を導き出すところからスタートします。そしてステップ2としてその「コア」を「Mission(自分たちの達成したい社会的役割)」へと変換し、さらに「Vision(自分たちの見たい未来像)」を考えていきます。最後のステップ3として、自分たちの「らしさ」や「強み」を考えることで、Missionを成し遂げるために必要な「Value(大切にしたい価値観)」を定義してきます。

今回のフライングフィッシュの企業理念もこのステップで検討を進めていきました。通常このプログラムは約3ヶ月の期間で行いますが、今回は1.5ヶ月という短い期間で完了させる必要がありました。そのため、対面で2日間の集中セッションを行い、その後オンライン対話を行うという2段階のアプローチを計画しました。代表の植木氏をはじめとした経営陣3名と社員代表の3名、そしてそしてDX推進をリードしてきたFabeeeの冨塚氏の計7名でチームを結成し、検討を行っていきました。

集中セッション1日目

集中セッション1日目は、フライングフィッシュの「コア」は何かを考え、それらをMissionとVisionに落とし込むことを行いました。「コア」とは組織を成り立たせている核(芯)です。経営者個人の主観的な願望、エネルギーの源泉(ソースオブエナジー)から生まれるコアは、恒久的に変わらない組織の存在理由であり、時代に影響されない不変の想いであり、代替不可能な存在です。私たちは経営陣にさまざまな問いを投げかけながら、コアの輪郭を浮かび上がらせていきました。

撮影場所:SPACES新宿

フライングフィッシュのナラティブ

私たちは対話の内容をフライングフィッシュのナラティブとして図に落とし込んでいきました。その結果、フライングフィッシュのコアは、自分たちの仕事によってお客様や生活者の中で生まれる「ありがとう」の言葉であるということが判明しました。

私たちはフライングフィッシュのコアから、企業理念のMissionを考えていきました。また、Mission実現の先に訪れる未来としてのVisionは何かを考えました。そして最後に全員で投票を行い、MissionとVisionの大まかな方向性を決定して、1日目は終わりました。

集中セッション2日目

集中セッション2日目は、1日目に決まった Mission/Visionの案に対して再び問いを与えながら、内容の精緻化を行いました。フライングフィッシュの理念の体系は、まず自分たちの役割としてのMissionがあり、それを遂行するために進んでいくミッション先行型の「MVV型」に決定しました。そしてVisionは「Mission達成のための具体的なマイルストーン」として、具体的な年を指定しない「ありたき状態」として定義することが決まりました。

その後、自分たちがこだわってきたこと、これまで発揮してきた強み、顧客から評価されていることを上げ、それらをグループに分けて整理すると、大きく7つの項目が浮かび上がりました。私たちはそれらを、自分たちが大切にしたい価値観と、フライングフィッシュの社員としてとるべき行動指針としてValueに落とし込んでいきました。

撮影場所:SPACES新宿

オンライン対話

集中セッションの後に2回にわたって行われたオンライン対話では、Mission / Vision / Value のワーディングの検討を行いました。さらに親会社の内外トランスラインの企業理念とのハレーションや、現在の事業内容と組織体制との整合性や拡張性など、新しい企業理念を運用していく上で生じる問題がないかの検証を行いました。

フライングフィッシュの新しい企業理念

プログラムを経て、フライングフィッシュの新たな企業理念は決まりました。Missionは「世界中にモノを運び、ありがとうで繋ぐ」です。フライングフィッシュは迅速かつ効率的に世界中にモノを届けることで、クライアントから『ありがとう』と言ってもらえるような物流サービスを提供することを目指しています。そして運ぶモノに込めたクライアントの“想い”まで一緒に届けることで、生活者の間にも『ありがとう』が広がることを目指しています。私たちはこの『ありがとう』の循環を「サンクスチェーン」と名付け、そのサンクスチェーンで世界中を繋いでいくことこそが、フライングフィッシュのMissionであると定めました。

そしてVisionは「人智とITのハイブリッドで、お客様の心に届く物流サービスを」です。DX推進をはじめとしたITの利便性、効率性と、創業当初から育まれてきた人智を掛け合わせた、付加価値の高いサービスの提供を実現している状態がフライングフィッシュの描くVisionです。

Valueは、これまでフライングフィッシュが大切にしてきた価値観と、具体的な行動指針を、社名の由来でもある「トビウオ」の特徴になぞらえた7つの項目として定義しました。

私たちはこの企業理念策定までの過程を、会社のアセットとして残すことができるように、ひとつのレポート資料としてまとめました。

未来への船出としてのコーポレートサイト

次に、フライングフィッシュの新しいビジュアルアイデンティティを表現するメディアとして、私たちはコーポレートサイトの全面的なリニューアルに取り組みました。新たに策定したVisionの「人智とITのハイブリッド」をデザインのコンセプトとして、これまでのブランドイメージとは異なる鮮やかなブルーやグリーンを採用することで、DX推進に取り組む先進的かつ挑戦的な企業のイメージを表現しました。全体のレイアウトは、港に積まれているコンテナをイメージして、“BENTO”と呼ばれるグリッド上に要素を配置するデザインを採用しました。その要素の中に、BIツールのダッシュボードのような、実際の取引実績データなどを表示させることで、フライングフィッシュがデータドリブンで経営を行っていることを表現しました。トップページのキービジュアルには、実際に船が経由する世界12都市の港の風景を、天気や気温とともに表示させました。サイトリニューアルに合わせて、ボードメンバーのポートレートやメンバーが働く様子の写真も新たに撮影を行い、世界観の統一とブランドイメージの向上を図りました。

おわりに

今回のプロジェクトでは、私たちが組み上げてきた企業理念策定のプログラムを、通常よりも短い期間で実施して成果へと結びつけるという、非常に挑戦的な機会となりました。この経験を通じて得られた学びを活かし、さらにプログラムの精度を高めていきたいと思います。

また、セッションを通じて、私たちが普段何気なく購入している海外の食品などが、フライングフィッシュのような取り次ぎ業務を行う人たちの日々の努力によって支えられていることを知りました。そして物流のプロフェッショナルである彼らが、“変わらなければ明日はない”という想いで新たな挑戦を続けている姿にとても感銘を受けました。

フライングフィッシュという企業が新たな未来に向けて進んでいく、その記念すべき船出に立ち会えたことを光栄に思います。私たちはこれからもフライングフィッシュの航海を支えていきたいと思います。