未来を手繰り寄せる。社名に込められた想いを表現するブランドデザイン
Haul
- Client
- 株式会社Haul
- Period
- 2022.10
- Expertise
- Link
Overview
取り組んだ内容
- 抽象的なコンセプトの具体化
- ブランドイメージのストーリーテリング
Approach
イントロダクション
株式会社Haul(Haul inc.)は、エンジニアやデザイナーの採用戦略策定や採用に関連する業務支援、ブランドマーケティングを提供する会社です。平田拓嗣氏は、様々なフェーズのスタートアップ、ベンチャー、VCのHR支援に従事してきた経験豊富なプロフェッショナルであり、2018年にHaulを設立しました。会社の規模拡大を目指し新たなMVVを策定することに合わせてリブランディングを行いました。
「止揚(アウフヘーベン)」を表現する
私たちはリブランディングを進めるにあたり、まずは創業の原点へと立ち返り、Haul(ハウル)という社名に込められた「社会の矛盾や葛藤を統合し、必要な未来へ導く」という想い、そして代表の平田さんの「22世紀に語り継がれる会社にしたい」という想いを紐解いていきました。
代表の平田さんからは、「あるものをそのものとしては否定するが、契機として保存し、より高い段階で生かすこと。矛盾する諸要素を、対立と闘争の過程を通じて発展的に統一すること」を意味する「止揚(アウフヘーベン)」をCIの要素に盛り込んでほしいと依頼されていました。
私たちはそれらを単なるエッセンスではなく、独自の抽象化によって視覚的要素へと変換することで、具体的ないくつかのCIデザインへと落とし込みました。そしてそれらをHaulがたどり着く未来の姿として、ナラティブに語ることで提案を行いました。
未来を手繰り寄せるロープ
そして「未来を手繰り寄せるロープ」というコンセプトが生まれました。「Hauloop」と名付けられた特徴的な「l(エル)」形状は、牽引を象徴するロープを意味すると同時に、テーゼからアンチテーゼを経てジンテーゼへと発展的に統合していく止揚(アウフヘーベン)を図式化しています。また特徴的な3つのカラーも、止揚の「正」としての清色、「反」としての濁色、そして「合」としての新しい視点を蛍光色として定義しました。
私たちはその後、CIデザインを名刺やビジュアル、Webサイトなどに展開させていきました。シンボルレスのシンプルなロゴであり、コーポレートブランディングのトーン&マナーとしてもインパクトが強いため、展開されるデザインがなぜこのようなレイアウトやビジュアルになっているのかを上手く伝えられずに、再考を繰り返すような状況に陥りました。
私たちはデザインの意図を丁寧に説明すると同時に、まさにアウフヘーベンの創造的思考を働かせ、「未来を手繰り寄せ、繋げていく」というHaulの想いをかたちにしていきました。
Credits
アートディレクション: 橘友希
PM:宇佐見優
CIデザイン、イラストレーション、ウェブデザイン: 濵田佳仁
マークアップ: 株式会社FMC、伊藤祐太